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[Special Interview]東京バレエ団:岸本秀雄/原田祥博

2015.10.9

岸本秀雄

岸本秀雄
東京都出身。5歳よりバレエを始める。2011年、東京バレエ学校を経て東京バレエ団に入団。同年、『ラ・バヤデール』で初舞台を踏む。のびやかな踊り、しなやかな足さばきが魅力の、ノーブルな雰囲気を持つ期待の若手。15年2月、マラーホフ版『眠れる森の美女』のデジレ王子で初の古典全幕主演を果たす。3月『ジゼル』で、ウィルフリード、パ・ド・ユイットを、6月『ラ・バヤデール』でブロンズ像を初めて踊った。6~7月には第29次海外公演で『第九交響曲』に出演。

原田祥博

原田祥博
兵庫県芦屋市出身。10歳よりバレエを始める。2007年こうべ全国洋舞コンクール、シニアの部第1位。12年に東京バレエ団に入団。同年11月、ベジャール振付『くるみ割り人形』で初舞台を踏む。13年『ラ・シルフィード』パ・ド・ドゥなど、14年シュツットガルト州立劇場で『ザ・カブキ』師直などを演じる。15年3月『ジゼル』ではパ・ド・ユイットを、6月『ラ・バヤデール』ではワルツを踊った。6~7月には第29次海外公演で『第九交響曲』に出演。

ー 今回は岸本さんと原田さん男性お二人にインタビューさせていただきます。お二人は先日目黒パーシモンホールでねむれる森の美女の王子役をされましたが手ごたえはいかがでしたか?
岸本 ちょっと納得いかない部分というか、自分の思っていることを表現しきれなかった部分がありました。
原田 ぼくもそうですね。練習してきた成果以上のことはできなかったかなと、そういうことでは課題が残ったかなと思います。

ー コンディション調整とか難しい部分ありますよね。
岸本 僕の場合は若干後ろめに重心があって、なかなかそれが戻せなくて満足に踊れなかったという、ただ演技の部分では気持ちよく踊れたかなと思う部分はありました。
原田 僕自身はコンディションはそんなに悪くはなかったと思うんですけど、後で自分の踊ったビデオなりを見て、もう少しこういうふうにすればよかったかなとか、腕の使い方とかもう少し大きめにやったほうがよかったかなとかいうのはありますね。

ー 本人にしか分からないような細かいところでしょうね。
原田 そうですね、それぞれの王子像みたいなのがありますから。

ー バレエはおいくつぐらいから始めたのですか?
岸本 5歳から始めました。きっかけは姉がバレエをやっていて、たまたま僕も一緒に見学に行って、そこで僕は暴れていたらしいです。それで親がどうせだったらやらせてみようということで・・・。最初のうちは仕方なくやっていたんですが、11歳の頃に東京バレエ学校に入りまして、もう世界が変わりました。その時はプロのダンサーの背中がかっこいいなっていうのが印象的でした。
原田 僕は両親共にバレエ関係の仕事をやっていて、ただ始めたのは10歳くらいなのでちょっと遅めなんですよね。やはり姉のほうが3年くらい先にやっていてついでにみたいな(笑)。

ー お姉さんに影響を受けられる方が多いですよね。
原田 身内にやっている人がいないとなかなか始めるきっかけがないですよね。僕の場合は始めるのは遅かったけどその間にまわりの人たちの本番の舞台とかは観に連れて行かれて、あれこれ見てっていうことはしていたので、こういう世界だっていうのがあったから、やり始めるのにも抵抗はそんなになかったです。普通の子はタイツはいたりするのが気持ち悪いとかそういうのがありますけど、親に連れられて楽屋裏とかバックヤードにも行ってたので特に違和感はなかったです。

ー じゃあすんなりバレエ界に入ったわけですね。
原田 そうですね、僕も中学校の時にちょっと大きいスクールに入ってそこで男性のダンサーや、いろんなところで仕事している方々に出会って「あ~、こんな飛べるようになんねや」とかそういう刺激があってそこからどんどんのめりこみました。

ー 海外のバレエ団に行ってみたいということはなかったですか?
岸本 あこがれはありましたけど、でも東京バレエ学校を離れたくなかったというのはありました。

ー 横に関係者の方がいるから無理やり言ってないですか(笑)?
岸本 無理やりじゃないです(笑)。

ー 東京バレエ団さんは海外公演も多いですもんね? 初めて海外の舞台に立った時はどんな気持ちでしたか?
岸本 武者震いというか、パリ・オペラ座の舞台に立った時は心の奥底からものすごい燃えるものがありましたね。
原田 緊張感がないといえば嘘になりますが、やっぱり毎回本番では緊張感はついてくるんですが、でもすごい良い緊張感でやっています。

ー 本番中に大きな失敗をしたことはありますか?
原田 自分本人しかわからない細かいのはあります。あそこはこういうのがよかったんじゃないかとか、そういうのはありますけど。練習風景とか見てる人にとっては、あ~ていうのはあるのかもしれないですけど。

ー そこをうまいことごまかす技術みたいなのもあるんですよね?
原田 しれ~っとこう(笑)。何事もなかったかのように、何食わぬ顔で(笑)。

ー 本番中の怪我とかはないんですか?
岸本 最近一回ありました。ローザンヌで公演していた時なんですけど、本番中に腰を痛めてしまって、その本番中はむりやりやったんですけど終えた後ものすごく痛くなってしまいまして。その時はずっとホテルの部屋にいました。

ー でも公演は続きますよね?痛めたままやるんですか?
岸本 応急処置といいますか、無理やり腹筋に力を入れて固めておいて、動けるようにしとくみたいな。とりあえず身体を安定させないとちょっと揺れただけでも痛むんで。その時はこう、痛くない程度に腹筋をやったり背中を鍛えたりして動かせるようにしました。

ー みなさんバレエ一筋の方が多いですが、趣味はありますか? お休みとか何をしていますか?
岸本 よく散歩してます。休みの日は。意外と地元を散歩する機会ってあんまりないんで、そういえばこの辺歩いてなかったなという時は僕の家の近くを歩いてみます。あ、ここ変わってるみたいな感じで。

ー 地元どこですか?
岸本 中野です。中野はすごい変わりました。駅も大分変わりましたし。

ー 原田さんも散歩してますか?
原田 いや、僕は休みの日は新宿に買い物に行って洋服見にいったり、あとは映画を借りてきて観るとかですね。

ー あまりお酒とか飲まないんですか?
岸本 かなり弱いです。ビール3分の1飲んだだけで真っ赤になって一杯なんか飲んだらいろんなところが赤くなって、心臓バクバクで逆に身の危険感じて静かになるタイプです。

ー 寝るんですか?
岸本 寝ますね~。身の危険感じて、赤くなって、白くなって、眠くなります。だから飲む時は一人でちょびっと飲みます。ただ最近はそれもあまりしてないですね。

ー これからの目標というか、こういう事をやって行きたいみたいなのはありますか?
原田 東京バレエ団ならではの作品というのをいろいろと経験してみたいというのはありますね。
岸本 もちろんプリンシパルになりたいという目標はあるんですけれどもここ最近王子をやってて、場面場面での王子の心境とか立ち振る舞いとかも考えるようになりましたね。それをいかに表現できるか、それを表現したいというのが目標ですね。役になりきって細かいことをどんどん追求したいと思います。

ー なるほど、散歩をしているときもそういう事を考えながら歩いているわけですね。
岸本 中野通りを歩いている時に気づいたら突き当りのとこまで来てしまってたりとかありましたね。 T字路の突き当りに。

ー (笑)。そんな時はどうするんですか?
岸本 戻ります(笑)。

ー 原田さんは将来作品を作る側になってみたいとか、そういう目標はありますか?
原田 今のところは作る側よりはダンサーとして体を動かして、表現の方を磨きたいという感じです。

ー ねむれる森の美女は子どもさんがたくさん観に来られると思うんですが来場した子供さんの反応はいかがですか?
岸本 最後舞台から客席に降りて練り歩くんですけど、すごく盛り上がって子供さんがハイタッチとかしてくださいます。

ー 教育番組のホール公演みたいですね。
岸本 はい、その中でもオオカミが人気ありますね。オオカミとねこはすごく人気があります。

ー 王子も人気ありますよね?
原田 王子よりもオーロラが人気ありますね。王子はどちらかというと子供よりもバレエをよく知っておられるお母さん方に人気があります。子供はキャラクターに食いついて、お母さんは王子に盛り上がる感じです(笑)。

今後もお二人の活躍期待してます。今日はありがとうございました。

東京バレエ団 『子どものためのバレエ ねむれる森の美女』

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